未来に挑む人と組織の伴走役
企業経営カウンセラー
岩出優です。
組織づくりの相談において
最も良くお伝えすることが、
会社は正論をもとに動くが、
人間は○○をもとに動く
というものです。
○○には何が入ると思いますか?
ちょっと考えてみてください。
はい、こちらの答えとしては
【感情】が入ります。
と聞けば、「そうだよね」と
なるかと思うのですが、
組織づくりにおいて意外と
この点が盲点になりやすいと
感じています。
今回は正論と感情論の違いについて
触れて行きたいと思います。
正論の3要素
まず、会社が動く基準としている
正論についてですが、
3つの要素が挙げられるます。
それは、
①お金、②時間、③法律
の3要素です。
お金が儲かるか(コスパ)
時間が短縮できるか(タイパ)
法律に適合しているか(コンプラ)
で会社は動いているということです。
これらを満たす行動を
積み重ねることで、
会社の業績は高まり、
利益を生み出していきます。
そのため、会社は社員に対して
正論をもとに動くよう、
役割を与え、指示をします。
では、社員はこの役割と指示に
従って100点満点の動きを
してくれるかというと、
そうはなりません。
なぜなら、人は感情で動く
動物であり、
正論よりも感情論をもとに
動く傾向にあるからです。
感情論を分解していくと、
「好きか・嫌いか」
「やりたいか・やりたくないか」
一言で言えば、
「プラス感情か・マイナス感情か」
に分類されます。
ここで、正論と感情論を
二軸に分類してみると、
①正しいし、やりたいこと
②正しいが、やりたくないこと
③正しくないが、やりたいこと
④正しくなく、やりたくもないこと
の4つに分かれます。
会社の置かれた状況や
社員の価値観によっても
分類は変わりますが、
①:プレゼン好きな社員による講演
②:過重な営業ノルマで働かせる
③:仕事の締切を気にせず休暇を取る
④:法令違反の行為をさせる
などが例として挙げられるかと思います。
①は社員のパフォーマンスが
最大化されると考えられ、
④はよっぽどのことがない限り
仕事として行うことは有りません。
そのため、組織マネジメントをする上で
特に注意が必要なのは
②と③に分類されることと言えます。
正しさだけで社員を動かしていないか
1人社員を増やすより、
残業をさせて対応する、
という方針の会社においては、
過重労働が当たり前に
なっているケースが有ります。
先ほどの分類で言えば、
これは②の
正しいが、やりたくないこと
に分類される内容です。
社員が文句を言いながら
仕事をしていたり、
「仕事なんだから
つべこべ言わずに黙ってやれ」
というような言葉が
聞こえてくるかもしれません。
このように、②に分類される
正しさだけで社員を動かす
ことが多くなってくると、
社員の本音では
「辞めたい」と思う気持ちが増え、
定着性は低くなって行きます。
対策の方向性としては、
仕組みづくりや声がけにより
①の正しいし、やりたいこと
の区分に寄せていく、
ということになります。
社員の業務効率を高める
仕組みづくりや、
社員が主体的にやりたくなる
ような声がけなどが
施策の方向性として
考えられます。
ぬるま湯職場になっていないか
一方で、自分のやりたいペースで
楽して働ける、というような
③に分類されることばかりでは、
会社の利益創出という観点で
問題が増えていきます。
会社に対する
働き手の立場が強くなり、
ハラスメントの問題も
取り上げられやすくなる中、
このようなぬるま湯的な
職場が増えつつあります。
対策の方向性として、
業務のルール化や
評価指標の明確化、
管理職への指導法の研修
などが考えられます。
正論と感情論の両方を踏まえた組織づくりをする
以上のとおり、本日は
会社は正論をもとに動き、
社員は感情論をもとに動く
ということをお伝えしてきました。
組織マネジメントをする上で
とても繊細で盲点になりやすい
ことですが、2つの観点を
踏まえて考えられるようになると
組織づくりがとても楽しく
なってきます。
コスパ・タイパ・コンプラに加えて、
やりたい(プラス感情)
やりたくない(マイナス感情)
も合わせて組織づくりを
考えていきましょう。
では、本日もお読みいただき
ありがとうございました^^)ノ
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