未来に挑む人と組織の伴走役
企業経営カウンセラー
岩出優です。
管理職研修を行う中で、
必ずと言っていいほど
上がるテーマに
部下を叱って動かすか、ほめて動かすか
という論点があります。
「叱られたくないから行動する」
「ほめられたいから行動する」
自分ごとで考えても、
どちらも合っているように感じますね。
そう。どちらも部下を行動させる
という観点では必要な関わり方と
言えるのです。
大事なことは、
叱ったりほめたりして
部下に行動をさせた結果、
その後の部下の行動量や
組織にどのような影響が及ぶか
を考慮にいれた上で、
状況に応じて関わりを使い分ける、
ということが挙げられます。
ということで、
今日は叱るとほめるについて
書いていきたいと思います。
叱る際のポイント
まず、「叱る」という関わりを
する際の大事なこととして
「叱る目的」を押さえた上で行う
ということが挙げられます。
さて、叱る目的とはなんでしょうか?
叱る目的は、
相手の行動を指摘し、将来に向けて
より良い行動を取れるようにすること
です。
ポイントは
①相手のために行う
②行動改善に焦点を当てる
という点にあります。
叱ると似た行動に
「怒る」という行動が挙げられますが、
叱ると怒るは似て非なるものです。
「叱る」は自身の感情をコントロールできていて、
相手の行動改善のために行うのに対し、
「怒る」は自身のムカムカした感情が
コントロールできておらず、
自身のムカムカの発散のために行う、
という目的で行われています。
部下は自分の未来のために
叱ってくれているか、
上司自身のムカムカの発散のために
怒っているかを敏感に察知します。
上司が「ただ怒っているだけ」の場合、
部下との信頼関係は構築しにくく
なることでしょう。
部下との信頼関係を築くためにも、
感情をコントロールし、
部下のために叱る、という点に
注意していきましょう。
また、「行動改善」に焦点を当てる、
ということも重要です。
部下の能力レベルにもよりますが、
「プロ意識を持て」などの精神論、
「もっと工夫しろ」などの抽象的表現では
部下の行動は改善しにくくなります。
「給料泥棒」「使えねぇ」などの
人格否定はもってのほかです。
部下のメンタルヘルスや
ハラスメントの問題にも
つながりかねません。
「今日、遅刻をしましたね。」
「今後は10分以上余裕を持って
家を出るようにしましょう。」など、
相手に直してほしい具体的行動に
焦点を当てて伝えるように
していきましょう。
また、叱るという行為は
部下のココロに負担をかけます。
叱られて嫌な気持ちになった
という印象がココロに残ると、
叱られたくないので
言われたこと以外はしないなど
行動にブレーキが
かかりやすくなります。
そのため、叱る際は
クッション言葉を使ったり、
前後に労いの言葉や
今後の期待を伝えるなど、
部下のココロに与える負荷を減らす
工夫をしていくことが重要です。
また、人はまわりの目を
気にする生き物です。
多くの人の前で部下を叱ると、
部下は自分の尊厳を傷つけられたと
感じやすくなります。
さらにまわりにいた人も
「次は自分の番かもしれない」
と委縮してしまうこともあります。
いずれにしても
やはり行動にブレーキがかかったり
信頼関係が壊れてしまったりします。
叱る際は、まわりに人がいない
ところで個別に伝えるようにしましょう。
以上、「叱る」について
ポイントをお伝えしてきました。
次回は「ほめる」について
お伝えしていきます。
本日もお読みいただき
ありがとうございました^^)ノ
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