未来に挑む人と組織の伴走役
企業経営カウンセラー
岩出優です。
管理職研修を行う中で、
必ずと言っていいほど
上がるテーマに
部下を叱って動かすか、ほめて動かすか
という論点があります。
「叱られたくないから行動する」
「ほめられたいから行動する」
自分ごとで考えても、
どちらも合っているように感じますね。
そう。どちらも部下を行動させる
という観点では必要な関わり方と
言えるのです。
大事なこととして、
叱ったりほめたりして
部下に行動をさせた結果、
その後の部下の行動量や
組織にどのような影響が及ぶか
を考慮にいれた上で、
状況に応じて使い分ける、
ということが挙げられます。
ということで、
昨日の「叱るのポイント」
に引き続き
今日は「ほめるのポイント」について
書いていきたいと思います。
ほめる際のポイント
まず、「叱る」の時と同様、
ほめるの目的を考えてみます。
ほめる目的とはなんでしょうか?
ほめる目的は、
相手の行動を承認し、
将来に向けてより良い行動を
さらに増やしてもらうようにすること
です。
人は「承認の欲求」を持っており、
認めてもらえると快楽物質の
ドーパミンが脳から分泌されます。
これにより「嬉しい」「気持ちいい」
という感覚が生まれ、
この感覚を再度味わいたい、
という思いから、
認めてもらえた行動を繰り返す
ようになります。
ギャンブルやアルコール、
オンラインゲームなども
ドーパミンが出るため、
ついついやってしまうそうです。
それほどにドーパミンの効果は
大きいと言えます。
では「ほめる」のポイントについて
見ていくことにしましょう。
ほめるのポイントとしては
①ほめると認めるの違いを理解する
②具体的にほめる(認める)
③結果以外にも焦点を当てる
が挙げられます。
まず①のほめると認めるの違いについてです。
「認める」というのが
ありのままの事実を認識すること
であるのに対し、
「ほめる」はそこに良い、悪いの
評価が入ります。
公式で表せば、
【ほめる = 認める + 評価】
ということになります。
例を挙げれば、
認める:髪切ったんだね。
ほめる:髪切ったんだね。似合ってるね。
ということになります。
ほめるはこの「評価が入る」という点に
リスクが潜んでいることを
押さえておく必要が有ります。
相手がこの評価と逆の事を感じている場合、
コミュニケーションに違和感が
生まれてしまったり、
評価する・されるという関係性が
上下関係を感じさせてしまったり
する点に注意が必要です。
状況によっては、ほめるはせず、
認めるに留めておく、という
使い分けができるように
しておくと良いでしょう。
次に②の具体的にほめる(認める)についてです。
話をしている中で、
ただ「いいですね!」と言われ続けても
「何がどういいと思っているんだろう」
「とりあえず言っているだけだな」
と白けてしまうことがあります。
「新人さんに積極的に声を掛けたり、
付き添ったりするなど、
気を使ってくれた点がとても良かった」
など具体的に伝えることで、
相手との信頼関係を構築しやすくなります。
③の結果以外にも焦点を当てる
についてですが、
ほめる、という時に
どうしても明確な「結果」に
焦点があたりがちになります。
結果が出ている時はまだいいのですが、
結果が思わしくなかったときに
ほめることができなくなります。
結果以外にも、行動したこと、
前に比べて成長したこと、
役割として期待していること、
相手の価値観や能力、
今後の可能性や存在そのもの、
などもほめたり認めたりできないか
を伝えることができます。
そのためにも、相手を
よく観察しておくことが重要
であると言えます。
組織に対する影響として、
普段からほめる・認めるを行うことで
組織に明るく、前向きな文化が
生まれてきます。
こういった文化の組織では
アイデアも生まれやすくなります。
このように大きなプラスの影響がありながら、
多くの職場では
失敗した時は叱るものの、
ほめることはない、
という状態になっていたりします。
これはとてももったいないことです。
ほめる・認める文化が
前向きな組織風土の土台となる、
という点を意識し、
普段から感謝を伝えたり、
影でも人をほめたりしてみることを
オススメします。
以上、「ほめる」について
ポイントをお伝えしてきました。
叱るとほめるを使い分け、
社員の行動をより良いものに
していきましょう。
本日もお読みいただき
ありがとうございました^^)ノ
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